敗戦

77年前、25歳になっていた男は蝉時雨の中で玉音放送を聴いていた。雑音で何を言っているかよく聴き取れなかった。 その後、日本は負けたと聞かされるのだか、男はどう思ったのか。俄かに信じられなかったのか、信じたくなかったのか...

隕石

その隕石は黒々とし肌はつるりとしていた。大気圏に突入したときに表面が溶けたのだとしたら、そんなものかと思った。 縦は70センチ、横60センチ、高さ40センチといったところか。 足を踏ん張り力を入れ動かそうとしてみたがビク...

犬のこと

小学校2年か3年の春の午後だった。舗装もされていない裏道を3歳上の兄と連れ立って歩いていた。半ズボンにサンダル履きだった。 前方に犬が5、6頭群をつくり道を塞いでいるのが見えた。その中の一頭は一際大きく、ボス犬と思われた...

雄猫の麻呂は我が家に来て早14年、おそらく15歳にはなっていると思う。かなりの年寄りである。 この頃は一日中寝てばかり、外に出たかと思えば、この暑さに耐えられず、すぐに戻ってくる。 そんな麻呂の目の上に栄光の傷痕がある。...

H先生

小学校三年生の夏、生まれて初めて絵葉書をもらった。裏に長崎の平和像が印刷されていた。送り主は担任のH先生だ。 H先生は親たちの間では評判が悪かった。当時はまだ「アカ」と揶揄されていた時代、歪んだ教育をされるのではと親たち...

庭のこと

幼い頃の記憶では、生家の庭に貸家が一軒あり、傍に芭蕉の木と胡桃の木があった。 親は芭蕉の木を「バナナの木」と呼んでいた。バナナは貴重な頃だ。いつバナナが食べられるのかと期待していたが、芭蕉の木は何年経ってもバナナは実らな...

ご挨拶

内面と対峙することで私は救われてきました。私自身が救われたこと、気づいたことをご縁のある方にシェアしています。 最初から変えられないと諦めないで、いっしょに解決策を探してゆきませんか。気づくことで道は開くはずです。 ひと...